音圧競争!!
CDが全盛期だった頃
少しでも楽曲を目立たせるために
楽曲の波形をパッツンパッツンにして
音量を ドカ~ン! と出すのが流行っていました
音圧が高い=楽曲の質が高い
みたいな風潮すらあったくらいです
そんな音圧を稼ぐために用いられていたのが
マキシマイザー!
ようするに、最終的に楽曲全体の音を圧縮して
その分音圧をアップさせるという代物
色々なメーカーから沢山の製品が出ていて
効果も多様でした
しかし!
昨今では音圧はさほど重要ではなくなりました
というのも、もはや世界的にはCDで音楽を聴くことはなく
ストリーミング配信が主流になったからです
そして
大抵の配信サービスでは音量制限があるため
どんなに音圧を上げても無意味になったからです
これは動画配信サービスである
YouTubeも同様の仕様になっています
ちなみに配信サービスの制限以上に音圧を出してしまうと
強制的に音量を落とされます
その際に音が劣化してしまうというのが
最近の注意点になっています
マキシマイザー等で潰した音が小さくなるのですから
音に抑揚がない、潰れた音が
さらに小さくなってしまうという現象に!
そもそもの話
音圧競争が過激だった時から
音圧を上げすぎていることに
否定的な意見は結構多かったのです
何も考えずに聴いた限りでは
「音は派手な方がいい!」
ということで、ドンドン音圧は上がっていきましたが
それは
音圧を上げる=音をどんどん潰してしまう
という、ある種音質を劣化させることと引き換えでした
勿論、マキシマイザーの中には
出来るだけ原音を損なわないような製品もあります
しかし、構造的に音を押しつぶしてしまうので
どうしても
抑揚のない音楽になる
必要以上に音域をカットする
若干歪んでしまう
ということは避けられませんでした
こういった側面から見ると
実は今の方が素直な音楽を楽しめるようになっています
音圧が以前ほど重要視されなくなったから
ダイナミクスをより感じられる音楽も増えました
人によっては、ほぼマキシマイザーを使用せず
楽曲を仕上げてしまう人もいます
勿論、今でもCDでの楽曲販売はありますし
配信サービス以外で楽曲を発表する時は
以前のような音圧を上げた処理も施されます
完全には音圧MAXなマスタリングは
消えることはないとは思いますが・・・
じゃあ今の音楽配信スタイルでは
「全く出番が無くなってしまったのか?」
と聞かれると
案外そうでもないです
圧縮されていない音が良いことはその通りですが
ある程度潰れた音も表現の一種!
特にロック等では
あえて少し潰れて歪んだ音が良かったりもします
また、マキシマイザーの種類によっては
質感を整えてくれる製品もあります
過度に使い過ぎず、音に味を加える
こういった使い方はまだまだ出来ると思います
音楽の多様化によって
プラグインの使い方にも変化は訪れます
今は丁度マキシマイザーが
そういった位置なのかもしれませんね!
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