異なる楽器が影響し合う
楽器というのはその発展のさなかで
単純に効率を求めて進化することもあれば
他の楽器に影響されて進化することもあります
奏法やトーンなんかは分かりやすいですね!
特に弦楽器というのは少し特殊で
管楽器に比べて自由度は高いけれど
鍵盤と比較すると自由度が少ない
みたいな絶妙な位置にあるので
この垣根を超える際に奏法は進化していっています
で
ギターほど色んな楽器に
影響されてきた楽器もないのでは?
と思ってしまうほど
他の楽器からの影響は大きいです
ロック×クラシック
ロックギターを嗜んだことのある方なら
パッと思いつくであろうギターが影響を受けた物・・・
ピアノ、ヴァイオリンといった
ネオクラシカルに代表されるような楽器ですね
ネオクラシカルとはその名の通り
クラシック(古典)の楽曲やフレーズを
現代の楽器で演奏すること
当時で言うと、エレキギターが
この現代楽器の代表格となっていました
クラシックギターの概念とは異なり
本来のギターでは行わないようなフレージングや
運指をギターですることで奏法が進化しました
それまでのロックギターと言えば
決められたポジションでペンタトニックを弾く
”ボックスポジション”と呼ばれる弾き方が主流であったため
一気にギターの自由度が増していったと思います
更にここからフュージョン系の要素が合わさり・・・ と
奏法面では目覚ましく進化していっています
しかし!
実はこういったギターの革命ともいえる進化以前にも
他の楽器の影響を受けて
奏法や機材が進化していった流れがあります
そう
それこそ管楽器系からの影響!
表情の豊かさ
ブルーズやジャズでもよく耳にする
サックス、トランペットなどの
ブラス系の楽器
このブラス系楽器特有の温かい音や
歌うような音色はかなり魅力的でした
で
結構ギターでも
「何とかしてブラスっぽい雰囲気が出せないものか?」
という議題は当然のように挙がっていたわけです
どうしても普通にギターでメロディを弾いたとしても
真っすぐで味気ないフレーズになってしまいますからね
そんなこんなで生まれたのが
タンギングという奏法
まあ今となっては特別に奏法とまで
言われなくなっていますが
その名の通り、タング(舌)
語源はブラス系の発声が素になっているようです
仕組みはいたって単純で
例えば続けて2音以上鳴らしていくフレーズがあったとすると
最初の1音目のみピッキング
2音目はスライドやハンマリング、プリングといったレガート系
このような感じでピッキングのダイナミクスを表の拍のみにし
裏を弱くすることでブラス系の質感に近づける
という手法
もっとも、ピッキングのコントロールが上手ければ
レガートでなくても良いと思いますが
このタンギングの練度を上げていけば
あたかもブラス楽器特有の音の揺れを再現したかのような
温かみのある”揺れ”をフレーズに取り入れることが出来ます
ワウペダルの目的
結構古くからある
ロックギターのペダルの定番
WahWahペダル!
ギタリストなら一度は
使ってみたことがあるのではないでしょうか?
ブルージーなソロで雰囲気を強調したり
軽快なカッティングに使ったり
果てはフレーズの粗を誤魔化すために使ったり
などなど、昔ほどとは言え
なんだかんだ根強い人気を誇るペダルです
このワウペダルもブラス系の音のニュアンスを目指して
考案されたペダルであることは有名です
スティーヴ・ヴァイ氏なんかは
人間の話し声に寄せるために使っていたそうですが
共通認識として
ブラス系のサウンド=人間味がある
日本でいう所の歌心を感じさせる音である
みたいなものは
西洋音楽圏ではあるのかもしれませんね
というわけで
泣きのギターであったり歌心のあるフレーズは
結構ブラス系の楽器の影響が大きいのでは?
と個人的には考えています
ギターの初心者には言うことはないのですが
「どうもギターのフレーズに味気が無い」
みたいに悩んでいる人には
人間の歌を参考にするよりも
ブラス系の音を意識してみては?
とアドバイスすることもあります
そういったちょぅっとした切欠で
先人たちの意図が理解できて演奏に反映できる
なんてこともありますからね!
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