ノイズ=ダメな音?
音楽をやっていると必ずと言ってもいいほど
ず~っと付き合っていかなければならないもの
ノイズ!!
定義はかなり広いですが
その文化は結構広かったりします
音楽の発展はノイズの発展とも言えるのでは?
と個人的には考えています
時代によってノイズの定義も変わりますし
扱いも変わります
勿論現代的なノイズの扱われ方もあります!
今回は音楽における”ノイズ”について
考えてみたいと思います
楽器におけるノイズ
楽器の場合は
音程にならない音=ノイズと見なされることが多いです
そして面白いのは
割と昔から意図的にこのノイズを利用した
楽器や使われ方がされていたということ!
例えば我々日本人にとってはなじみ深い
三味線!!
三味線なんかも”さわり”と呼ばれるノイズを
敢えて出して音に加えることで音を成立させています
実は三味線のバチの使い方がベースのスラップと
ほとんど同じだそうなので
結構昔からベースのスラップ奏法の概念は
生まれていたのかもしれません
また、むか~しの琵琶法師が行っていた”語り引き”なんかも
音程を出すために楽器を使うというより
リズムをとるためにノイズを出す
というような概念でやっていたという説もあります
まあ、これは打楽器的な使われ方だったのだと思いますが
敢えて音程楽器である弦楽器を
ノイズを利用して打楽器的に使うという感覚
こういった現代にも通じる感覚が
既にあったことは興味深いですね
エレキギターはノイズの塊!!
しかし、それがいい!!
アンプがぶっ壊れて生まれたノイズを歪みと呼んで
エレキギターの音の基盤とし
意図的にノイズを加えることで
その後の多くのジャンルを築いてきました
ギターを実際にやってるとわかるのですが
ロックの歴史=歪みの歴史
極端な話、歪の質で
大方のロックのジャンルが判別できる
と言っても過言ではなかったりします
過激なジャンルになるほど
より過激な歪を求めていったように
よりぶっ壊れた音(ノイズ)を
人は求めていたのでしょうか?
ロック系に使われるオルガンも
やはり同様に歪みが加わっています
まあ、ギターほど過激な歪ではないですが
ギター基準だとクランチくらい
近代的なシンセサイザーでは
歪みを加えることは勿論
意図的にホワイトノイズなどを加えて
質感を整えるといったこともしてますね
グロウル、ボーカルフライ
日本語でいう所のだみ声とかデスボイスとかとか・・・
グロウル、スクリーム系の発声方法
喉ベースといった発声方法
これらも総じて通常の声帯以外の所を振動させて
意図的にノイズを声に混ぜる方法です
このノイズの成分が最大限の状態を
日本で言うデスボイスという発声になってたりします
ちなみにデスボイスや喉ベースにも細かく種類がありますが
やってることは基本的に同じで
振動させている部分を微妙に変えているという仕組み
そうすることによって
ノイズの成分の質を変えて声を作っています
ロック系のジャンルならこのノイズの量を少なくして
元の声を極力残す
より過激なジャンルになるほどノイズの量を増やす
ダウンチューニングにより重低音を意識した演奏に対抗するため
より低いノイズを加えていく
実はボーカルのノイズ事情も
こんな感じで進化していった経緯があります
ちなみに大御所の声優さんや
プロの声優さんもこの技術を使ってます
(山寺宏一さんとかわかりやすい)
ミキシングとか録音ではノイズ(クリッピング系)は
良くないことというのが基本ですが
実はノイズをどう扱うかが
音楽の発展に大きく繋がっているというのが私の見解
海外のミキシングでは
意図的にコンプで楽曲を押しつぶして
わざと音を歪ませまくってる曲もありますからね
ノイズ=悪い物
という認識を変えてみると
面白いかもですよ!!
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